フライング読書会@熊本レポート 本をつまみに何しよう!?
日程:2021.07.21.
会場:オモケン・パーク(熊本 上通り商店街)
ゲスト:田中尚人さん (国立大学法人熊本大学 熊本創生推進機構・准教授)、宮城潤さん(那覇市若狭公民館・館長)
完成途中の本で読書会!?
本ができる前に読書会!?舞台は、街の新しい「縁側」と呼ばれる熊本のオモケンパーク。そして、地域の風土に根ざした公共空間づくり・まちづくり・地域学習プログラムづくりを展開する熊本大学の田中尚人先生が呼びかけ人を引き受けてくださり、もともと営まれていた「遊びの生まれるところ」読書会という集まりの番外編としての共同開催が実現。公民館や社会教育関係者など、多くの方にお集まりいただくことが叶いました。更にはなんと!(執筆者である繁多川公民館・南館長の盟友である)沖縄・若狭公民館の宮城館長が、社会教育主事講習の講師として同じ日に熊本大学でご登壇されているということで合流。というわけで、集まったメンバーと会場をご紹介するだけでも、語りきれないこと盛りだくさんのフライング読書会となりました。
そもそもなぜフライングを!?
関係各位に心よりの御礼の気持ちを表明しつつ、この場ではまずはフライングをしたくなった想いについてご紹介させてください。「公民館のしあさって」の本がいよいよ完成しようとしている今だからこそ、どうも出版そのものがゴールのような気持ちにもなってきてしまいます。でも、それはそれとして、本当のゴールって何だろうということを改めて思い出してみるのもやっぱり大切なはず。本をきっかけに、それがささやかなものだとしても何かが生まれたり、何かの挑戦の後押しになったりすること。日本の公民館がもっともっと面白くなること。それが私たちの初心でもあります。本ができた後に生まれてほしい風景を先取りして初心を忘れたくない。そこで、案ずるよりも仲間を頼って生むが易し。校正真っ只中の書籍データをお送りしての読書会に至ったのでした。
みんなで本を囲むということ
本は一人でも読めます。みんなでも読めます。リレーのようにバトンを渡していく輪読だってあります。会話のきっかけにもなります。話のネタにもなります。静かにも読めますし、にぎやかにも読めます。ここは共感できた。逆にできない。ここはもっと深堀りしたい。議論したい。そんな心の動きも生まれます。現に、日が沈んでからの空のもと、素敵な場所で車座になって語り合うことそのものが、まるで焚き火をかこんでいるかのような感覚で良い時間の過ごし方でした。そもそもに、同じ本に関心をもつもの同士。自己紹介だけで面白い。そういえばといってつながり思い出す。なるほどじゃあこの場合はと転がり出す。会話も流れ始めれば、いつの間にか話題が本の内容から離れていくのもまた寄り道気分で素敵ですし、それこそが本が「つまみ」になるということのような気もします。何気ない会話や雑談から物事が生まれることってありますよね。そして、その確率が高い場所。それが理想の公民館でもあるはず。
読書会のすゝめ
というわけで、こちらの記事を読んでくださったみなさん、もしよろしければ読書会の開催もご検討をくださいますと望外の幸せです。みなさんの街の公民館で。今回のように公民館的な場所で。わたしたちの本が何かのお役に立てたら光栄です。第一に、執筆陣・編集部として自分たちの本が活用されていくのがとてもとても嬉しいもので、採れたての野菜をお客さんに自らとどける農家さんのような気分になってきます。そんな気分の勢いのなかで、(本を書いた人がいないほうが自由な議論がしやすいという向きもあろうかと思いますが!)ご要望をいただければ、執筆陣・編集部がお邪魔させて頂くなんてことも検討できると思います。是非、お問い合わせフォームやSNSのDMなどでお声をお寄せくださいますと幸いです。それでは、みなさまからのご連絡をお待ちしています!
<田中先生からメッセージを頂きました!>
熊本弁で「かたる」には、「語る」という意味と「仲間になる」という意味があります。場をかたる、場にかたる、そのどちらも大切。長らく、地域コミュニティを「閉じつつ開く」ということを考えてきました。コミュニティというのは、閉じすぎてもいけませんが、開きすぎてもいけません。そのバランスが難しい。でも、読書会という営みは、ひょっとしたら「閉じつつ開く」ことができる「かたりあい」の場なのかもしれません。そして、「公民館のしあって」もひょっとしたら、そんな場なのかもしれません。みなさんも、読書会どうですか?おすすめです。